少し前に話題になっていたZOZOTOWN(ゾゾタウン)の「ツケ払い」が好調なようです。
この記事を読み、改めてZOZOTOWNのツケ払いの仕組みと、何故これが流行っているのかを考えたところ、色々なことがみえてきましたので書いていきます。
オススメ新着記事:
低所得層の子は勉強苦手?勉強できる子供が育つのに必要なたった1つのこと
ZOZOTOWNのツケ払いとは
改めて、ZOZOTOWNのツケ払いですが、商品を受け取った後に請求書が送られてきて、コンビニ・銀行から支払いをする「GMO後払い」というサービスを利用しています。その後払いを「ツケ払い」と名前を変えて訴求しているわけですね。素晴らしいネーミングだと思います。
- ZOZOTOWNで商品を購入
- 商品が届く
- 後日、郵送で請求書が届く
- コンビニか銀行で支払う(商品購入から2ヶ月以内)
という流れです。で、このツケ払いは手数料として324円(税込)が余計にかかります。同じ後払いでもクレジットカードは手数料かからないのに、です。また、ZOZOTOWNはLINEPayでも支払い対応していますが、これは手数料かからないけど即時決済です。
自分の場合はクレジットカード一択なので普段他の決済手段を考えたことがありません。もし仮にクレジットカードを持っていなかったら、手数料はかけたくないのでLINEPayを使うな~と思いましたが、気付きました。きっとLINEPayを使うような人はクレジットカードも普段から使ってるんでしょう。クレジットカードも使わない、LINEPayなどの新しい決済手段も興味が無い、だけどネットで買い物はしたいという層が学生以外にも多いのではという仮説。(クレジットカードだって18歳以上であれば持てますし)
あえてクレジットカードを使わない人たち
僕は普段ほとんどの買い物をクレジットカードと電子マネー(Suica)で行うのであまり感覚が分からないのですが、クレジットカードの保有率は下がっているようです。(ただし利用額は伸びている)
そして、ちょうど会社でこのツケ払い好調に関して雑談していたところ、目の前に「クレジットカードは使いたくない」という後輩がいました。彼女曰く、クレカだとお金を使ってる感覚がないのと、後から引き落とされるのが恐いということでした。クレジットカード自体は持ってるのに全然使わず、ネット通販でも代引きとかをあえて選ぶということでした。
以下、その後輩とその時に行ったクレジットカードについての会話です。
僕「クレカでいくら使ったかって今ではアプリでも見れるし、僕はアプリで家計簿も付けてるから後からこんなに引き落とされてびっくり!みたいなことってないんだよね」
後輩「まあそういう管理ができればいいんでしょうけど・・」
僕「全然簡単だよ、やればいいじゃん?」
後輩「んーなんかそこまで踏み込めないんですよね・・・」
僕「でもクレジットカード使っても払う金額は変わらないし、逆にポイントとかマイルとかも貯まってお得だよ。代引きとか面倒じゃない?」
後輩「お得なのはわかってるんですけど、何だか使う気になれないんですよね~」
と、結局分かり合えず・・。
よく「クレジットカードを持ってない(使わない)のは、カードを作れない学生」という言い方がされますが、クレジットカードを持っているけど、あえて使わない社会人って相当いるんじゃないですかね。よくよく考えたら、僕の妻もそのタイプでした・・・(苦笑。
別にクレジットカードやLINEPayを使うのが偉いわけじゃありませんが、振込に行く手間や余計にかかる手数料をかけてまで現金で払いたい層が一定数いるんだぞっていう感覚を持つことは大事だなと思いました。
こちらは決算説明資料にあったZOZOTOWNユーザーの年齢分布ですが、冒頭でご紹介したブログにあるように今回ツケ払いで数十億単位の額が使われていたとしたら、きっとクレカを作れない(保有していない)学生だけではないですよね。
結局、このZOZOTOWNのツケ払いはそういった「クレジットカードを持っているけど使いたくない層(だけどネットで買い物する)」のニーズをドンピシャで満たしていたわけですね。彼ら彼女らは、実体の無いお金を使うことを最初から嫌がります。そこへ、紙の請求書が後から郵送されてきて、それを持ってコンビニや銀行で支払うというこのアナログなツケ払いが「お金を払ってる」という実感を得ることができて安心、と。
アナログ層のニーズを捉えること
最近、フィンテックの時代と言われ色々なサービスが日々話題になっています。コイニーやペイモなど。
個人的にはそういった先端のサービスにとても興味があるので、そっちにばかり目が行きがちですが、当然そこについていけない層は必ず存在します。今回のZOZOTOWNのツケ払いのようにちょっと目線を変えて、その先端サービスについていけないアナログ層のニーズも忘れずに捉えることも大事ですね。モノでいうとスマホ時代のガラケーニーズとか。(もちろん母数と費用対効果の話もあります)
他では、TVのニュースとかでも取り上げられるトレンドワード、「IoT」「AI(人工知能)」「シェアリングエコノミー」「テレワーク」「サブスクリプションサービス」「VR」なども、それぞれのテクノロジーの先にある実現しようとする目的を、テクノロジーを使わず目線を変えた形で実現できるサービスなんかがあればビジネスとしても面白いんじゃないですかね。
いやー、それにしれも「ツケ払い」はやっぱり上手いネーミングでしたね。
オススメ新着記事:
こちらの記事も読まれています: