少し前にこんなニュースを見かけました。
低所得層の家庭の子供は高所得層の子供に比べ、「学校の勉強がわからない」割合が2・1倍、「朝食を週に2回以上食べない」割合が2・6倍に上った。
よくこういった親の所得とその子どもの学力について語られることありますね。
僕は、そこに因果関係があると思っていいるのですが、その関係性についてと、そうした場合に親が子どもの学力を上げるためにすべきことについて考えてみました。
※もちろん諸々例外があることは承知です。一般論・確率論的にはという視点でおおまかに捉えています。
目次
なぜ低所得者層の親の子どもは学力が低いのか
まずはこのテーマについて考えていきたいと思いますが、僕が考える主な理由は以下です。
・知能が低い子どもが生まれやすい(遺伝子)
・教育に充てられるお金がない(資金不足)
・親が勉強を教えられない(能力不足)
・そもそも親が教育に関心がない(価値観)
それぞれについてみていきましょう。
知能が低い子どもが生まれやすい(遺伝子)
いきなりそもそもの話になりますが、低所得家庭と高所得家庭の親自身の知能を比較すると、高所得家庭の親のほうが知能が高いはずですよね。(例外はもちろんあります。あくまでも確率論として)
すると、残念ながら低所得家庭に生まれる子どもは遺伝子的にそもそも知能が高くない可能性があります。子どもにとってはスタート地点で差が付いているわけですね。。
遺伝子レベルの話になると、後から努力では越えられない壁がありそうですが、まあここではそこまでの高い壁を越えるための話ではなく、それでも子どもの学力を伸ばすには、という点で進めていきたいと思います。
教育に充てられるお金がない(資金不足)
子どもの学力を伸ばす手っ取り早い手段としては、「塾に通わせる」というのがあると思いますが、当然多額のお金がかかります。
こちらのサイトによると、
小学生の学習塾費 平均分布
小学生で学習塾に支払う費用の分布図を見ると、公立では0円という家庭は約64%を占めています。一方で私立の場合は、0円が約33%。そして、なんと年間40万円以上掛けている家庭が18.8%(公立は2.6%)を占めており、0円の約33%に次いで、2番目に高い割合であることが分かりました。幼稚園、中学校、高校と比べても、18.8%は一番高い比率です。難関中学校の受験対策として、学習塾を利用する家庭が多い可能性があります。
と塾に通わせている家庭の年間費用として、公立でも月1~2万円ほどかけていることが分かります。これが子どもが複数になればそのまま倍になります。
正直、低所得家庭にはきついはずですよね。。よほど教育に関心があれば別ですが、そうでない場合はそこへの支出は後回しになりそうです。また、塾だけでなく、参考書や本、その他学習機会に触れるにもお金がかかります(お金をかけると効率性が増すという意味で)。これらが制限されるということは、学力を高める選択肢が狭められているということですね。
親が勉強を教えられない(能力不足)
僕の子ども(長男)はこの春から小学校に入るため、親としての実体験はありませんが、子どもが勉強していて親に教えてもらう機会も多いと思います。自分の小学生時代を思い返すと、分からないところは親に聞いていた覚えがありますし、よく勉強に付き合ってくれていました。
一般論として、高学歴≒高所得者、低学歴≒低所得者という傾向はあると思います(もちろん例外はあり、あくまで確率としては)。とすると、低所得家庭では親が低学歴の可能性が高いと思われます。よって、親自身も勉強が苦手で子どもに教えられない、という図式は成り立ちそうです。
また、勉強に限らず、子どもが興味を持ったことに対して親がどう応えてあげられるか、というのもとても大事です。以前、こんなエントリーを書きましたが、
子どもが疑問を持ったことに対して、それに付き合って疑問を解消する手助けをしてあげること。親が「答えられる」「調べる術がある」「体験させることができる」というように、親自身の能力も必要だということ。
こういったところが重要ですね。
また、以前読んだこの本にも、日々の子どもへの接し方が将来の子どもへの学歴に直結する旨が書かれていてとても興味深かったです。
そもそも親が教育に関心がない(価値観)
そして、これが一番大きな原因だと思っています。
子どもが高い学力を身につけられるか、勉強できる子どもに育つかどうかは、親の教育・学力・学歴への興味があるかどうかで決まると思います。その必要性の理解と価値観を持っているかということですね。先ほども触れましたが、低所得家庭の親は低学歴である可能性が高く、そうするとその親自身が教育や学習に興味関心がない可能性が高いです。これは必ず子どもに空気感として伝わるはずです。
以前このブログでもご紹介した永江一石さんの本、
にも、こんな一節があります。
お父さんが「なぜ勉強しないといけないか」をきちんと説明している子は成績が良いという。これはとっても大切な真実であると思わせるが、問題は「お父さんが勉強しなくてもいい」と思ってる場合だよね。若いときヤンキーでやんちゃしたけどいまはなんとか食えてるみたいな場合、「勉強しても仕方ないだろ。父ちゃん見てみろ、ちゃんと飯食えてる」なんて言うのだが、それは過去の話でこれからは肉体労働はロボットがやる時代になるし、運転手は自動運転になる。若い子がやりたがらない辛い仕事は外国人労働者が入ってくる。いまは30年前とは違うということが、この元ヤンお父さんにはたぶんわからない。
「子どもをバカッターにしないためにはお父さんがどう動くかが大事という話」より
とても絵が浮かびます・・・。
きっと関心を持っていたら、例え家計全体が厳しくても教育へは多少投資するでしょうし、親の学歴がなくても子どもの学習には付き合ってあげると思います。全てはこの関心がない、そこに価値観を持っていないことが、低所得家庭の子どもの学力が低い一番の原因だと考えています。
子どもの学力を伸ばすために親がまずやるべきこと
もうお分かりの通り、
親が教育・学習(と先の学歴)に関心を持ち、その必要性を理解すること
ですね。
そうすれば、自然と「なぜ勉強しないといけないのか」を子どもへ伝えるでしょうし、必要なお金を教育にかけるでしょうし、子どもの勉強に付き合ってサポートし、さらにやる気を引き出すようなこともできると思います。
すべてのスタート地点は親が子どもの勉強に関心を持つことです。そしてそういった価値観が、子供の学力を高める環境を自然と作り上げるでしょうし、全てはそこから良いサイクルに乗ってくると思います。親が関心さえ持っていれば低所得家庭だろうが何だろうが、その子どもは勉強できるようになる(可能性がぐっと高まる)と信じています。
自分の長男もいよいよ小学校入学、親として改めてしっかり意識していかなければと思いました。