おもしろいニュースがありました。
東京大学合格を目指し、毎年、センター試験の模試を受けてきた人工知能の「東ロボくん」が、東大合格を諦め、進路変更することを開発チームの国立情報学研究所のグループが明らかにしました。
これまで順調に成績を伸ばしてきた東ロボくんですが、教科書などの情報と検索技術によって正解にたどりつく世界史などは得意な一方、文章の意味を理解して、問題文を読み解く「読解力」がなかなか向上しませんでした。このため国語や英語などの科目では、今後の成績向上に限界があり東大合格の水準にあたる偏差値70以上にまで成績を上げることは現在の技術では難しいと判断したということで、ことしで東大合格は諦め、“進路変更”を決めました。
人工知能、AIについての話題は溢れてますが、東ロボくん(とうろぼくん)知らなかったです。。
記事によると、「人間が人工知能に勝るのは読解力だ」ということで、これからの子どもには読解力が必要になってくると思いました。
東ロボくん(とうろぼくん)とは
そもそも東ロボくんってなんぞやってとこですが、
東ロボくん(とうろぼくん)とは、日本の国立情報学研究所(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構)が中心となって2011年に立ち上げられたプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」において研究・開発が進められる人工知能の名称。
ということで、2011年に立ち上げられたプロジェクトなんですね。
こんな本も出ていました。
東ロボくんが苦手な国語・英語
このページに2015年のセンター試験模試の結果が載ってますが、記事にあるとおり、国語と英語の偏差値が低いですね。。
一方、人間では当たり前の常識や問題文に書かれていないことを推測し、人間のように意味を理解することができません。例えば、センター試験模試の英語の問題で2人の会話のやり取りを読み、空欄部分について与えられた単語を並べ替えて会話を成立させる問題です。
「こんなに暑いのに歩いたの!」という問いかけに対し、「はい。とてものどが乾いた。だから」に続く文章を6つの単語で作ります。この時、東ロボくんは6つの単語の並び替えをインターネット上の文章で学習し、候補として、「冷たいものが飲みたい」、「寒いので何か飲みたい」という2つの文章を作りました。
通常、人間であれば「暑いのだから冷たいものが飲みたいだろう」と状況を理解し、当然、「冷たいものが飲みたい」と解答します。しかし、暑いとは何か、暑いと何が飲みたいのか、という知識は教科書に記載されていません。
このため東ロボくんは、「寒いので何か飲みたい」といった間違った解答を選んでしまうのです。
こんな簡単なのも東ロボくんには難しいんですねー。
まあ国語の読解に限らず、個人的には翻訳も結構怪しいと思ってます。僕は趣味で英語で書かれたWEBページを訳して読んだりするんですが、辞書を引きながらなのでGoogle翻訳も使いますが結構いい加減な訳ですよね。。なんとなく全体で言ってることがぼんやり分かる程度。
たまに「最近、Google翻訳の精度すごいよね」って話も聞きますが、本当に使ってるのかな?って思います。
そんな感じなので、この東ロボくんの試験結果には納得ですね。
人工知能の言語処理
言語処理学会の会長で東京工業大学の徳永健伸教授は「現在の人工知能は、外見上では言葉を理解して会話しているように見えるが、必ずしも人間のような理解をしているわけではなく、内部では統計的な処理を行い、確率の高そうな答えを導いている」と話しています。
そのうえで、東ロボくんの東大受験から見える人間と人工知能の違いについて「入試問題を解くには文中に書かれていない情報も利用する必要があるが、人間は問題文に書かれたことだけでなく、常識のような知識も利用して問題を解いている。今後、人間が意味を理解するレベルに人工知能を近づけるには、人間の常識をはじめとした教科書に書かれていない知識をどのように習得し、習得した知識を目の前の問題とどのように関連づけられるかという技術が必要だ。
ということで、統計的な処理であくまでも機械的に答えを導いているということです。逆に言うと、人間の考える力って何だか本当にすごいなって思いますね。神秘的にすら思えてきます!
これからの時代必要になる「読解力」
人工知能は今後、おそらく僕らの想像を超えるスピードで社会に浸透していくと思います。よく言われているように、人工知能に取って代わられる職業も多くでてくるでしょう。
その時に必要となってくる能力は色々あると思いますが、この東ロボくんを開発している国立情報学研究所の新井紀子教授が言うように、「読解力」もその代表だと思います。
読解力。僕が仕事をしていても本当に大事だと痛感しています。仕事柄、メールやチャットでやり取りをすることがとても多いんですが、読解力があるか無いかで圧倒的に差が出ますね。同じ文面を見ても理解できるレベルとスピードが全く違いますし、ラフに書かれた文からでもちゃんと文脈と照らし合わせて話が通じたりするので、コミュニケーション取る側も断然楽なんですよね。
「コミュニケーション能力が大事」ってよくいいますが、その場合なんとなくイメージされるのって「伝える」ほうの力な気がしますが、仕事上まず必要なのは「聞く」ほうの力なんですよね。まさにこの読解力。
やっぱり読解力を鍛えるには読書
僕は会社の部下と色んな話をしますが、よく読書を勧めています。読書には色々な効果がありますが、文章にしっかりと向き合うことの重要性を感じます。やはり文章を読めるようになるためには、多くの文章を読むのが大事です。固いビジネス書もいいですが、言葉から想像が広がる小説でもいいですね。
それは子どもにとっても同じ話です。というか個人的には子育てにおいて、かなり大事だなと思っているポイントの一つに「読書の習慣を小さいうちから身に着けさせられるか」というのがあり、ぜひ実践したいと思っているくらいです。
読書習慣の大事さは、僕自身とても身をもって分かっているので、しっかり伝えていきたいですね。
まとめ
対人工知能という話だけではなく、読解力はよりよく生きていく上で欠かせない力です。文章を読む、という行為は絶対に無くならないので、同じ文章から多く得られるようになる力があれば、それだけ人生も豊かになると言っても過言ではないと思います。
そのために、まず子どもの頃から読書する習慣を身に付け、読解力を磨いていくようにしたいですね。
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