子育てとはあまり関係ないですが、保育園問題と並んで、長時間労働も最近とても大きな社会問題になってますね。やはり電通の新入社員だった高橋まつりさんが過労自殺した件が大きなきっかけとなりました。
電通は書類送検され、
違法な長時間労働をすると社名が公表されやすくなりそうです。
僕はWEB業界のいわゆる「制作会社」でプロデューサー的な立ち位置で仕事をしていて、まあこの長時間労働問題には、かなり関心があります。
今回は、自分の実体験も元にしながらこの長時間労働問題について書いていきたいと思います。
誰がどんな気持ちで働いているのか
最初に僕のスタンスを書いておくと、やらされる長時間労働はあってはならないけれども、何らかの目的があって自分が望んで長く一生懸命働くのは別に良いのでは、と思います。もちろん自分で気付かないうちに望んでいると錯覚して後で後悔する、健康を損ねていたみたいなケースもありますが、自分でしっかり選択をすればいいのです。
なお、ここでの長時間労働とは、残業代ほしさにダラダラと残業することではありません。自分が仕事で目指しているものがあり、そこに向かってハードワークしていくことです。それを求めていない人はしなければ良いし、頑張りたい人は頑張れば良い、というのが僕の基本的な考えです。
全てのハードワーカーは犯罪者ではありません。
頑張るべき時はある
そしてこの問題を考えるときに切っても切れないのがお金です。働くとはお金を稼ぐことと直結します。どんな業種職種であっても、仕事のスキルは積み上げ式であり、見えない形で他者との競争にさらされていて、これが何十年も続いていく。
それに気付いた人が進んでハードワークして自分の中でスキルや経験という貯金を作り、ある程度いったらその利子も使いながらうまくやっていく、という発想になるのは当然だとも思います。
あまり若い頃には気付かないけど、長い人生における仕事は一人で走ってるようで実はそうじゃないんですよね。同じ会社の中でも競争だし、世の中全体で見ても競争です。サボっていればすぐに他の人が前に出ます。
特に若い20代は頑張るべき時だと思います。この時期にどれだけ仕事上で資産を築いたかによって30代、40代は激的に変わってきますよね。とすると、もう一歩頑張ることに価値はないのか。今、本当にワークライフバランスが必要な時期か。というのは若い自分自身に言ってあげたいです。。
一人だけの競争であれば、立ち止まっても後で取り戻せる。だけど他者との競争では追い抜かれてその差は縮まない。
というのが仕事上でハードワークをする人間の心理なのかなーと思ってます。
選択肢が増えることが大事
とはいえ、みんながみんな、そんなハードワークをする生き方を選ぶ必要はないと思ってます。
自分の私生活を大事にしたい人はそういう働き方をすればいいし、子育てと両立したい人は時短勤務や自宅勤務をすればいいし、一方でガツガツ働きたい人は寝る間も惜しんで働けばいい。
問題は、選択肢が少ないことです。もっと多様な生き方、働き方があるべきだと思います。
選択肢がたくさんあってそれが許容される社会になればいいですし、今なってないことがこの長時間労働問題の根底にあるのかなと思います。社会全体で、生き方・働き方の選択肢を増やすということに真剣に取り組んでほしいですね。
このサイボウズの人事制度とかは本当に素晴らしいと思います。

こういうのが「普通」になってほしいですね。
本当に問題なのはパワハラ
そして、長時間労働問題の本当の問題は、長時間働くこと自体ではないと思っています。
例えば、あの電通の高橋まつりさんは、電通に入社してるんですよ。どんな労働環境だかある程度覚悟して入ってるはずです。それなのにこういうことになってしまったのは、労働時間だけが問題ではないはずですよね。
もっと重要なのはそこにある人間関係やストレスだと思います。結局選択肢の数と、その選びにくさが根っこにある気がしますが、結局望んでない人に圧力をかけてしまうことが問題だと思います。
これは会社の問題です。企業レベルでは、社員が余計なストレスを感じないで働けるような制度作りはもちろん、マネジメント層への教育も強化していく必要があると思います。
まとめ
望んでいない長時間労働は無くすべきですが、「今が頑張り時!」と思ってハードワークする人もいます。
色んな生き方・働き方があっても良いと思いますので、そいうった選択肢がちゃんと用意され、それを自分で選びやすい雰囲気が各企業含め、社会全体に広まることを望んでいます。
ハードワークしてる人を何でもかんでも犯罪者みたいにする今の世の中の流れは、良くない風潮だと思ってます。