僕が毎週録画しているTV番組で「新・週間フジテレビ批評」というのがあるのですが、その番組にマラソンの瀬古利彦さんが出演していました。
ここ数年、市民ランナーとして週末ランニング、年数回のマラソン大会に出場している僕としてはとても興味深いゲストでした。そして、番組内で瀬古さんは、僕が以前から感じていたリーダーに必要なパフォーマンスを見せていました。
今回はそんなお話です。

瀬古利彦リーダー
マラソン界の有名人、瀬古利彦さんですが、最近では「箱根駅伝の解説」というイメージが強いでしょうか。まあここでは箱根駅伝エピソードは置いておいて、瀬古さんの現職についてですが、
日本陸連の「長距離・マラソン強化戦略プロジェクト」のリーダー
です。
リオ五輪で男女ともに低迷したマラソンのテコ入れ策として、84年ロサンゼルス五輪代表の瀬古利彦氏(60)を、新設する「長距離・マラソン強化戦略プロジェクト」のリーダーに登用した。現在は実業団のDeNAランニングクラブ総監督を務めており、強化方針の立案・決定などでリーダーシップの発揮が期待される。日本陸連の尾県貢・専務理事は「色々な観点からマラソンを見てこられて、知識もある。若手コーチからの信頼も厚い」と人選の理由を説明した。
番組内でも、このプロジェクトリーダー就任にあたっては「1ヶ月悩んだ」ようで、「話が来たときは貧乏くじだと思った」と正直に語っていました。それでも、強いマラソンで再び日本を盛り上げたい、マラソン界に恩返しをしたいということで引き受けたそうです。
ですので、今の瀬古さんは「日本のマラソン界の強化」のリーダーであり、そこへ責任を負っている立場ということです。
「新・週間フジテレビ批評」での発言
番組では、ライター・編集者である速水健朗氏との対談形式で進みます。
日本マラソン界の不調、ケニアなどのアフリカ勢が何故強くなったのか、自身の現役時代のエピソード、など瀬古節で語っていきます。
最近は科学的トレーニングがもてはやされているけど、基礎を作る地道なトレーニング無しでそれをやっても効果が無いと、非科学的トレーニング・普段の走り込みの重要性を強調していましたね。
瀬古さんは今でもエレベーターを使わないそうです。5階くらいまでなら階段を使うそうです。自転車も使わないそうで、それくらい皆がやらなきゃ元々身体能力が高いケニアには勝てないと言っていました。
そして、「駅伝なんて練習」だという発言もありました。「箱根駅伝なんて世界中の誰も知りませんよ。日本人だけですよ」と言っていて、箱根駅伝のお仕事は大丈夫なのでしょうか。。
こんな感じで色々と語っておられました。
リーダーに必要なパフォーマンスと「言い続ける力」
繰り返しますが、ここでの瀬古さんはマラソン強化戦略プロジェクトリーダーです。
目的は、「日本のマラソン界の強化」なのです。僕には、上で挙げたような発言も、この目的達成に近付くための一種のパフォーマンスなのかなと感じました。
瀬古さんは自身の経験から「普段から走り込む」成功体験を持っていてその重要性を信じています。選手たちや、これからマラソン界に入ろうとしている人たちにそうした姿勢をこれでもかと全面に押し出しています。そのためにこうしてメディアにも出演し、主張を繰り返し刷り込ませていきます。この「言い続ける力」というのはリーダーにとってとても重要な事だと思います。
目的達成に向けてリーダーは、とにかく信念を語り続けなければなりません。何度も何度も繰り返し言い続けることで、意識改革は行われます。瀬古さんはその言い続けることの大切さを理解し実践しているリーダーだなと番組を見ていて感心しました。
瀬古さんも語っていましたが、マラソンはとにかく自分と向き合う競技です。他人にやらされるのではなく、自分からやらないといけないわけです。そうした中で選手たちは、「自分がマラソン選手である」という意識を持つことが大事であり、その意識があると、日々の練習で1km、2kmを長く走るようになるそうです。そうすると、その積み重ねによって大きな差がついていると言っていました。
まさにこういう意識にさせるために瀬古さんはリーダーとしてパフォーマンスを繰り返しているのではないでしょうか。「2020年の東京オリンピックでダメだったら、日本のマラソンは終わりじゃないかという危機感」でやっていると言っていて、その方向性に向けてあるべきリーダーの姿だと感じました。
マラソン界、これからも盛り上げていってほしいですね。
参考記事:

