先日、乳がんで闘病されていた小林麻央さんが亡くなりました。
彼女と海老蔵夫婦については、特に個人的な繋がりがあるわけではありませんが、小林麻央さんは僕と年齢が同じ、子どもも2人(第一子の年も同じ)ということで、とても他人事に思えません。当たり前に続くものだと思っていた普通の暮らしが、病気によって一気に崩れ去るという事実がとてもリアリティをもって感じられるニュースでした。
また、タイミングを同じくして、こんな映画を観ました。
「世界一キライなあなたに」はAmazonビデオのプライム会員特典で無料で観れます
これは本当に今観るべきというか、いろいろ考えさせられる面白い映画なのでぜひオススメしたいと思いました。
世界一キライなあなたに(原題: Me Before You)
原作はこちら。
あらすじ
イギリスの田舎町、貧しい家庭で生まれ育った26歳の主人公のルイーザ(ルー)は、新しい仕事に就きます。それは、四肢麻痺となった青年実業家ウィルの介護をすることでした。
映画の冒頭で登場しますが、ウィルは超イケメン、スポーツ万能、彼女はスーパーモデル並に美人、住んでいるところは都会のオシャレなマンション、加えて家が城持ちの名家と誰もが憧れるような生活を送っていました。しかし、バイクにはねられた事故によって首から下が動かなってしまいました。
生きる希望を失っていたウィルは自ら安楽死を選んでいましたが、新しく介護職にきたルイーザと出会うことで人生の希望を見出していく・・・ように思えましたが、彼の意志は変わらず、最終的にはスイスでの安楽死を選びました。
ウィルの苦しみ
どんなに重い病気になっても必死に最後まで生きようとする人がいる一方で、この映画のウィルのように自ら人生を終えようとする人もいます。(実際にこの映画でも登場するスイスには自殺幇助機関ディグニタスがある)
ウィルは前述の通り、元々は何でも出来る、手に入らないものは何もないというスーパーマンでした。それが首から下を思うように動かせず、車椅子で移動するという落差に耐えられなかったのでしょう。
「朝、目が覚めるたびに落胆する」
というのが実際どれだけ辛いことなのか、想像ができません。
ウィルの決断
そして、ウィルは当初の意志を貫き、安楽死を選ぶわけですが、ルーに出会う前は完全に生きる希望を失い人生を早く終わらせたいという面が強かったと思います。
しかし、ルーと出会ってからは、ルーを想ってこその決断なのかなと感じました。経済的理由で田舎町に縛られているルーに自分らしい人生を歩んでほしい、そのために自分は存在していてはいけないというウィルのメッセージを感じました。
自分だったらどうするか
これは本当に難しい問題ですし、想像することが不可能ですね。
僕には既に妻や子ども2人がいるので、ウィルの境遇とは遠いですが、彼の気持ちは分からなくもありません。おそらく四肢麻痺で輝いた人生を送っている人も大勢いると思います。彼もきっとその状況の中で自分が出来ること、やりたいことを見出そうとしたはずです。しかし、下した結論は安楽死です。
それほどその苦しみは大きなものだったということでしょうか。
普通の暮らしがどれだけ尊いものか
小林真央さんの件と、この「世界一キライなあなたに」では、全く内にあるストーリーは違います。180度異なっていると言ってもよいと思います。
しかし、共通しているのは、
いつどんな時に「当たり前」だと思っていた生活が無くなるか分からない
という事実であり、それは同時に今の普通の暮らしがどれだけ尊いものなのかを教えてくれます。自分自身だけでなく、家族も含めて。
僕の両親はまだ健在ですが、これから年をとるにつれて身近な人の死というのは避けられないものになっていきます。親を亡くしたとき、妻を亡くしたとき、子どもを亡くしたとき、考えたくない現実がいつ訪れるのか、目を背けないでしっかりと現実を見るようにするのと同時に、今できる限りその一日一日を大事に過ごすことが大切なことだなと改めて思いました。
なお、この映画「世界一キライなあなたに」ですが、原題は「Me Before You」といいまして、映画を観ればこれがしっくりくるのがよく分かる(当たり前)のですが、この邦題だけは全然意味が分かりませんでした・・。というかこの邦題、普通の軽い映画かなと思わせて相当損してるな~という印象です。。もったいない・・。でも映画は本当にオススメなのです。