トム・クルーズ主演の「ザ・エージェント(原題:Jerry Maguire)」を観ましたので、感想を書いていきます。
「ザ・エージェント(原題:Jerry Maguire)」
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表舞台で活躍するスタースポーツ選手たちの裏で働いているスポーツエージェントの物語です。
1996年12月公開(アメリカ)。主演はトム・クルーズ、共演には「ブリジット・ジョーンズの日記」で有名なレニー・ゼルウィガーがいます。監督・脚本はキャメロン・クロウ。「あの頃ペニー・レインと(2000年)」や「バニラ・スカイ(2001年)」などで有名ですね。
1996年のアカデミー賞では、作品賞・主演男優賞・脚本賞・編集賞などにノミネート、キューバ・グッディング・Jrが助演男優賞を受賞しています。
数多くあるトム・クルーズ主演作の中でも最高傑作と評する声もありますね。
ジェリー・マグワイヤの提案書~人間らしい生き方
35歳のジェリー・マグワイヤ(トム・クルーズ)は、SMI(国際スポーツ・マネージメント)で働くエージェント。そこでは33人のエージェントたちが1685人のプロスポーツ選手たちと契約しています。ジェリー・マグワイヤの担当は72選手で、一日に受ける電話の数は平均264回。
スポーツエージェントの役割は、自分が担当しているクライアント(選手)がより稼げるようにお金周りの交渉を選手の代わりに引き受ける代理人です。交渉相手はプロスポーツチームであったり、スポンサーであったり色々です。この代理人がいるから選手たちはプレーと日々の練習に集中することができるのですね。
しかし、ジェリー・マグワイヤは、金欲的な会社の方針や、自分の飽和した状態の仕事に疑問を持ちはじめます。「お前は最低だ」という幻想の声が聞こえ、自分が「汚い仕事」をしているのではと思い悩みます。
そこで彼はある「提案書」を書き上げます。
そこで出した結論は、
「クライアントを減らすこと」
「金額は低く」
「親身な配慮」
「自分とゲームを大切にする」
「人間らしい生き方を」
その提案書のタイトルが、“THE THINGS WE THINK AND DO NOT SAY”(みんなが考えて口にしないこと~この業界の未来~」というのもまた良いですね。
スポーツエージェントの元祖、ディッキー・フォックス曰く、「この仕事の原点は、選手との人間関係だ。愛がなければ売り込みは成功しない」とのことです。
これらは、今の時代の働き方についてととても共通する視点で、「人間同士の繋がり」という点はますます重要になってきている気がしますね。
この映画は、この提案書を書き上げるこの冒頭のシーンが爽快で、トム・クルーズがとても良い表情をしています。書き上げた後のセリフ、「僕は35歳。これからが人生だ」。これが自分も同じ年になろうとしているので、響きました。
ジェリー・マグワイヤの苦悩~家庭と仕事の両立
しかし、その提案書がきっかけであっさりと会社をクビになってしまいます。
独立したジェリー・マグワイヤについて来たのは、彼の考え方に共感したドロシー・ボイド(レニー・ゼルウィガー)のみ。そして、会社を去ったジェリーと引き続き契約したのはパッとしないけど態度はでかいアメフト黒人選手のロッド・ティドウェル(キューバ・グッディング・Jr)。ジェリー、ドロシー、ロッドでなんとか生き残りをかけてやっていきます。
やがて、ドロシーと結婚していくジェリーですが、家庭と仕事の両立で苦しめられます。両立というか、妻が仕事上もパートナーなわけですから常に一緒です。
結論は妻に、「私は家庭が大切。あなたは仕事への責任感。その食い違いを考えないと今に手遅れになるわ」と言われてしまいます。その価値観の違い、それを理解して折り合いを付けるのはとても難しいものですね。ちなみに、こういうのは日本でも割とよくありますが、僕はちょっと無理ですね。完全に仕事と家庭は別れていないとダメです。
それでも結局は、ジェリー、ドロシー、ロッドの3人は爽やかなハッピーエンドを迎えます。
最後はディッキー・フォックスの言葉で締めくくられます。
「こういう私も私も人生で数多くの失敗を重ねてきた。だが妻を愛し人生を愛してる。君にもそういう成功を!」
誠実に仕事をすることの重要性というととても陳腐ですが、本当に良い映画でキャストも役柄にぴったりでとても引き込まれる作品です。