先日、ドラえもん旧声優陣のスネ夫役、肘付兼太さんが亡くなりました。
とても寂しいですが、今こそ旧声優陣のドラえもん映画を観返すときだと思います。
ということで、シリーズの中でもかなり大好きな『ドラえもん のび太と雲の王国』を観ましたので感想を書いていきます。
↓以下ネタバレありです。
『ドラえもん のび太と雲の王国』
これは、1992年に公開された大長編ドラえもんシリーズの12作目です。
雲の上には本当に天国があると信じてそれを馬鹿にされたのび太に、ドラえもんは雲の上に自分たちで天国(理想の王国)を作ろうと提案する。
紆余曲折があったものの、仲間たちの協力を得て雲の王国はついに完成。しかし、王国で遊んでいる途中偶然に、本当に天上人の住む雲の上の世界があることを発見する。自然に恵まれ絶滅動物が多数生息するその雲は、絶滅動物の保護地区だった。
そこの監察員パルパルに連れられ、施設に移動する5人。友好的に見えたパルパルだが、天上界では「動植物と地上人をあらかじめ天上界に避難させ、大洪水で地上文明を洗い流して破壊する」という恐ろしい方策「ノア計画」が実行されようとしていた。
株式王国
はじめはドラえもんとのび太の二人で王国づくりをスタートさせますが、お金(道具)が足りなくなり、のび太のアイデアで株式王国として資金を集めることに(笑。
いつものメンバーが株主候補に呼ばれ、1株100円でそれぞれ買った株数が、
ジャイアン半株・しずかちゃん1株・スネ夫300株
スネ夫!3万円もの大金をポンッと出せる資金力。。僕よりお金持ってますね・・(苦笑
さて、結局30,150円で実際どれくらい道具を増やせたのか謎ですが、一気に王国が完成します。
それにしても、この前半の自分たちの王国を作るところ、夢があってワクワクしますね。子どものころ、とても憧れていました。
ちなみに、大株主のスネ夫ですが、王国完成時にジャイアンがリサイタル開催を提案するも、
「よせよ、くだらない!」「なんべんでも言ってやる!キミのオンチにはみんなが迷惑してるんだ。この国では絶対に歌わせないからな!!」
と大株主として威勢を発揮しますが、当然そんな原理はジャイアン理解していなく、ぶん殴られてました(笑
結局王様ものび太ですしね。やっぱりスネ夫はスネ夫でした。
天上人
さて、この映画はいわゆる敵役が天上人になります。
地球の雲の上には、実は普通の雲に紛れて天上世界があり、天上人が住んでいた。という設定です。しかもかなり高度な文明を築いていて、なんと宇宙人とも交流がある!
天上人は地上人が自然を汚して暮らしているのが我慢ができない様子です。
そして、天上人対地上人(のび太たち)という構図が徐々にあらわれてきます。
ノア計画
地球の資源を数百年で使い果たす地上人。フロンガスオゾン層、無計画な熱帯雨林の伐採と山焼き。そして、核兵器の存在。
そんな地上文明に大雨を降らせて全て洗い流す計画が「ノア計画」です。もちろん地上人を含め全ての生物は全員避難させ、計画終了後に全て地上に戻し、何もないところから再出発させるという。恐ろしく無謀な計画ですね。。
そして、どこでもドアの時間がずれて、のび太とドラえもんがノア計画実行後の地上世界に戻ったシーン、いつものあの街が全て大洪水で流されている絵は、色々な意味で恐ろしいです。
そして地上の悪人たち(密猟者)がのび太の王国を乗っ取り、雲戻しガスを天上世界に向けて使い始め、ドラえもんが体を張って阻止する場面は感動しますね。これにより結局ノア計画は中止、めでたしめでたしでした。
教訓
それにしても天上人は酷いですね。確かに地上人は自然を破壊していますが、自分たちのことしか考えていない独裁者だと思います。「正義の名の下に」という時の人間ほど恐ろしいものはないなと思いました。これが実は大人的なこの映画の教訓。
最後、キー坊が「植物星は天上人すべての移民を受け入れます」と言ってましたが大丈夫なのかな・・・。
という作品ですが、映画の中では、「僕たち絶対自然を守るよ」というまとめ方ですので、「地球」「自然」の大切さを子どもに教えるにはとても良い映画だと思います。
ドンジャラ村のホイとかキー坊とか懐かしいキャラが出てくるのもドラえもん好きにはたまらないですね。