少し前に、鼻のクリニック東京というところで、鼻の手術をしてきました。正式な手術名でいうと、経鼻腔的翼突管神経切除術、内視鏡下鼻中隔手術、内視鏡下鼻腔手術です。3種類を2週にわたって受けてきました。
このブログでも関連した内容をいくつか書いてきていましたが、僕は数年前より鼻の空気の通りが悪いことで悩んでいました。
同じような症状の人に、「鼻の手術」という選択肢について少しでも理解してもらえればと思い、いくつかに分けて僕の手術体験記を書いていこうと思います。
目次
手術前の僕の鼻の状態
小さい頃~大学生の頃まではどうだったかあまり覚えていませんが、社会人になって数年経ち、夜寝る時に鼻が詰まって苦しいことに気付きました。そして市販の点鼻薬(いわゆるナザール)を使ったところ快適で、寝る前にナザールを使うのが習慣化していました。
そして、それからおよそ10年が経ち・・。
まあ当然それが自然と良くなるはずもなく、ここ数年はさらに悪化して、いびきを含めて本格的に気になるようになっていました。
症状としては、常に鼻が詰まっているわけではなく、だいたい午前中は調子よく、昼過ぎから夕方にかけての仕事中に結構気になってきます。僕の場合は左目の下あたりの皮膚を外側に引っ張ると、鼻の左穴が空気の通りがよくなるので仕事中にそれをやるのが癖になってました・・・。そして、何もせずに寝ると寝苦しいのがわかっているので、寝る前にナザールを使う、という具合です。
苦悩している証に、こんな記事も書いてました(苦笑。
【花粉症対策は鼻うがい】痛くないハナクリーンEXを試してみた
自分のいびき録音聞いたら不安になったので対策してみた
そんなわけで、色々とできる対策はしていました。
そして数年前、一度近所の耳鼻科へ鼻づまりがひどいのを相談に行きました。先生は「そりゃ、もう鼻の穴の空気が通れるところがこれだけ狭くなっちゃうと、息しづらいよね。これね、手術しないとダメかもね。もしやるんだったら紹介するよ?」と言われました。
その時はちょっと考えます、という形で保留にしていましたが、「これを残りの人生何十年もやり続けるのか?」と思い、今回手術することを決意しました。
鼻のクリニック東京
手術しよう!と決めて次は、じゃあどこでする?となるわけですが、これは色々と検索しました。調べると似たような症状の人がいて、この記事と同じような体験記を書いてくれているのでとても参考になります。
そういうのを色々と読みつつたどり着いたのが、鼻のクリニック東京です。
https://nose-clinic.jp/index.html
「鼻のクリニック東京は、鼻づまりに悩む方々のための、鼻の手術治療専門クリニックです」
と公式サイトに書いてあるように、まさに鼻づまりに悩んで手術を決心した僕のためにあるようなクリニックなのです。
ちなみに、僕は10年ほど前にレーシック手術を受けているのですが、こういった専門的な手術は、町のお医者さんや総合病院ではなくその手術を専門にしているところが良いというのが僕の実体験に基づく経験則です。
僕も行って驚きましたが、その院内はまさにスペースシップ。
よりよい生活を取り戻すための「旅行」をテーマにした院内は、宇宙船に乗り込んで最先端の治療を受けていただくというコンセプトで設計・デザインされています
局所麻酔か全身麻酔か
僕が今回受けたような鼻の手術に関して、色々と調べていた中では、
・局所麻酔 ⇒日帰り
・全身麻酔 ⇒1週間弱の入院
となっていることが多かったのですが、鼻のクリニック東京の特徴として、「日帰り全身麻酔」なのです。
個人的には、局所麻酔で手術中の痛みは無いとはいえ、場所が場所なだけに手術中に意識があるのは怖いなと思ってました・・。とはいえ、1週間も入院できない!という中でこの「日帰り全身麻酔」というのはとても魅力的でした。
鼻のクリニック東京では、従来1~2週間の入院が必要とされていた鼻の手術の多くを、 全身麻酔を用いた日帰り手術で行っています
なお、鼻のクリニック東京には日帰り基準というものがあり、クリニックがある東京駅から自宅までが1時間程度であることが条件のようです。うちは割とギリギリです。もっと遠い場合は近くにホテルをとって一泊しないといけないのです。そして、家族の付き添いが必要で、その付添人は基本的に術後24時間は一緒にいないといけません。帰宅の際も、付添人が運転する車かタクシーのみということで電車等は禁止なのです。
初診の予約を取るのが困難な鼻のクリニック東京
さて、では鼻のクリニック東京に一度診てもらおうと予約を取ろうとしますが、これがなかなか取れません・・・。
WEBサイトにある初診専用受付に電話するも、まず翌月分は全て予約が埋まっている旨を自動音声で伝えられ撃沈します。そしてその次の月頭から翌々月の予約が取れるというシステムのようで、その場で予約が取れないのでまた改めて電話する必要があります。
これでうっかり数ヶ月が過ぎます(苦笑。
それでも頑張ってまずは初診予約を勝ち取ります。僕はとても運がよく、土曜日の予約を取ることができました。
待ちに待った鼻のクリニック東京での初診
頑張って予約をとった初診の日。
初めて訪れるあのスペースシップのような院内。広々としていて清潔感があります。そしてキビキビと対応するスタッフの方々のプロフェッショナルさが伝わってきます。
まずは受付にて問診票に記入するように言われます。問診票の記入にはiPadを使いますが、OSがかなり古かったのはご愛嬌。色々な質問に答えていきます。そしてその後、受付から診察室のあるほうの奥の待合へ移動するのですが、通路もとても近未来っぽい作りで驚きます。
最初の診察はあっという間に呼ばれました。そこでは耳鼻科医の先生と少し話をして、さっそく鼻の中を見てみましょうということで、ベッドへ寝転がって鼻の中の写真を撮ります。それを見ながら、僕は構造的に右の鼻の鼻中隔が飛び出てて空気が通りにくいんだねということでした。
そして次はCTで写真を撮りました。ここもあまり待つことなく結構スムーズに呼ばれていきました。
次にまた待合室で待つわけですが、ここが長かったですね。まあまあ暇な時間を過ごしていました。
そして最初の診察室へ入り、先程撮ったCT写真を見ます。鼻中隔が曲がってる話と、鼻の粘膜が炎症してるという話をされます。炎症はナザールを使いすぎてるのではという感じでした。やはりか・・・・。
通常であれば、鼻うがいを勧められ状況が改善するかをみるそうですが、僕の場合は鼻うがいは既に前からやっている事を伝えると、すぐに手術の手続きできるということになりました。色々と他の人の体験談を見ていると、ステップがあると思っていたので意外でした。逆にとんとん決まるので結構焦ってしまいました。でも僕は元々手術をするつもりであったので、そのまま身を任せました。
そして市販点鼻薬(ナザール)の禁止を言い渡され、病院処方の点鼻薬を使うように言われます。
なお、ここで診てくれた耳鼻科の先生は最後の手術まで担当していただきました。
その後は別室にて、看護師さんから色々と説明を受けます。「持病はないですか?」とかそういう感じのことです。そしてそこで手術日を含めた日程を決めていくわけですが、これがもうポンポンと決められて、しかも有無を言わさない感じで日にちが決められてしまいました。
手術日として指定されたのは、この日から2ヶ月先くらいでした。手術としては2回必要で、間は5日間でした。手術日とその次の日は仕事を休まないといけないそうです。
・手術前検査
・手術前オリエンテーション(付添人も必要)
・手術日①(付添人も必要)
・①の次の日(付添人も必要)
・手術日②(付添人も必要)
・②の次の日(付添人も必要)
・術後処置日
と7日間も仕事を休む必要があるのです・・。①と②の間の5日間も体調によっては通勤・仕事も難しいかもしれません。
僕はちょうどその頃、仕事的に都合がつけやすい時期だったのと、付添人となる妻もシフト制で休みは事前に調整すれば取れるので、もう指定されたまま決めてしまいましたが、これは他の会社員からするとなかなか即決は難しいだろうと思います。
でもここで「ちょっと一回持ち帰ります」とかすると手術が数ヶ月先になったりしそうな雰囲気はありましたので、予めどの辺りの日程条件であれば大丈夫か等は付添人となる人の分も含めて確認しておくことをおすすめします。
ちなみに手術日が2日に別れる場合、月をまたいでいないか注意してください。後述しますが、月をまたぐと高額療養費制度の効果が半減してしまいますので、もし月をまたいだ日程を指定されてもそこは要調整です。
この日は全部で3時間弱くらいかかりました。費用は7,280円でした。
手術前検査
前回の初診から1ヶ月ちょっと経ったある日、会社を休んで手術前検査へ行ってきました。
この検査は身長体重、血圧等を測ったあとは、看護師さんと部屋に入って色々と質疑応答がおこなわれます。会社で受けた健康診断の結果も持ってくるように言われていたので、それも見ながらです。
印象に残っているのは、手術当日に付き添いがどうなるかというのは結構聞かれましたね。子供がいるなら、(両親が手術でいなくて)子供は当日どうするのかとか。意図としては付き添い人が風邪ひいて倒れたりしてもちゃんと代わりがいるか等を確認したかったようです。
そんな感じで淡々と進んでいき、検査です。
胸部レントゲンと心電図、採血。あと鼻の通りを確かめる検査もおこなわれます。
その検査終了でこの日はおしまい。耳鼻科の先生とは会わずでした。
全部で1時間ちょっとで終わりました。7100円でした。
手術前オリエンテーション
前回の手術前検査から約3週間(1回目の手術の1週間前)、また会社を休んで鼻のクリニック東京へ行ってきました。この日は付添人となる妻も同伴です。
受付を済ませて、診察室前の待合で15分くらい待っていると呼ばれました。
初診の時と同じ先生です。とても丁寧に、この日初めてここを訪れている妻に対しても説明してくれます。今の鼻の状態、手術をするとどう改善するのか。また、前回の検査結果の数字も渡されます。
ちなみに、結構細かい血液検査の結果も出ていて、今まで調べたこともなかったですがHTVは陰性でした。花粉症の検査もされていて、僕は「すぎ」「ヒノキ」「ぶたくさ」に反応するようでした。。
先生の説明は15分ほどで終了、その後はまた前回と同じ看護師さんから説明を受けます。手術前日から当日の過ごし方、術後はどんな状態になるのか、どんな詰め物が鼻の中に入るのか等々。一気に手術というものへのリアリティが増すのでちょっと怖気づきます。。
そういう意味でここに付添人がいるのが重要なんだろうなと思います。家族全員で風邪を引いたりしないように体調管理をしていかなければという気にさせてくれます。また、ここで手術および全身麻酔の同意書、帰宅後の付き添い同意書等を提出します。この説明は1時間弱くらいでした。
最後は受付での会計の説明ですが、これは立ち話程度でした。この日のお会計は380円でした。説明を聞いただけだとは言え安い・・。
高額療養費制度と限度額適用認定証について
こういった鼻の手術を受ける場合、きちんと把握しておかないといけないのがお金のことです。
なんといっても手術はかなり高額です。僕の場合、初診時にもらう「手術のてびき」の中に概算費用として、合計31万円(健康保険で3割負担の額です)が書かれていました。とても高額です。
そこで登場するのが高額療養費制度です。
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」(こうがくりょうようひせいど)があります。
ということで1ヶ月単位で上限額が設けられているのです。そういう意味で手術日については月をまたがないようにしないといけません。
この制度を利用すれば、上限額を超えた分は請求すれば返還されます。
しかし、その申請手続をし、実際に返還されるまでは3ヶ月くらいかかると言われていますので、その間は立て替えていないといけません。金額が大きいだけにそれも大変な場合がありますね。
そこで今度は限度額適用認定証の出番です。
これは、あらかじめ高額療養費限度額適用認定証の申請をしておけば、限度額適用認定証がもらえ、それを提示することで窓口で支払う額が自己負担限度額までとなるのです。
要はあとから上限を超えた分をが返ってくるか、先に上限を超えない額で支払うかの違いですね。
僕は、限度額適用認定証を使いました。同じ時期に結構大型の出費がかさむことが予想されていたため、大きな金額の立て替えをするのが嫌だったのです。でも人によっては、その立て替えをする場合のほうがお得なケースもあると思います。
それはクレジットカードのポイントです。鼻のクリニック東京では、手術費用のみクレジットカードで支払うことができますが、30万円をカードで支払うとなかなかのポイントが貯まりますね。あとから上限を超えた額は返ってくるとはいえ、そこで支払った分のポイントが減るわけではないので、その分おトクになると言えます。
この辺りは、自分の金銭状況と照らし合わせて決めるとよいかと思います。大事なのはとにかく2回の手術で月をまたがないことです。
民間の医療保険での手術給付金について
これは人によりますが、民間の医療保険に入っている人は手術給付金がもらえる可能性が高いです。
僕は医療保険に入っていましたので、事前に保険会社へ連絡し受ける手術(Kコードという手術番号)を伝えて確認すると給付金の対象ということで請求するための用紙を取り寄せました。
診断書を先生に書いてもらう必要があるので、それは手術当日に持っていきます。ちなみに、鼻のクリニック東京では診断書の記入に5000円かかります。それを郵送するとさらに400円かかります。
次へ続きます。