【ストーリーがファンをつくる】『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります/ 井手直行』

【ストーリーがファンをつくる】『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります/ 井手直行』

僕は、もともと大のビール好きです。ビール図鑑みたいなのも持ってるくらいです。

もちろんビールを飲むのも好きですが、こんなにも人々を惹きつけるビールという飲み物自体が好きというのが正しいかもしれません。あまり平日に家で飲んだりしませんし。

で、「よなよなエール」というビール。もちろん名前は知ってましたし、多分何度か飲んだことはあったと思います。が、それほどリピートするという感じでもなかったのは事実です。

それが、今ではななり頻繁に買うようになりました。

なぜか、それはそこにあるストーリーを感じられるようになったからです。今回は、そんな僕とよなよなエールについてのお話です。

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Schoo(スクー)での井手社長の授業

僕、Schooというオンライン授業のサービスの有料会員になってまして、いろいろなスキマ時間で興味のある従業を閲覧しています。家事をやりながらとか結構はかどります(笑。

それで、少し前に現れたこの授業。

オンライン授業サービス

これを見たことが全てのきっかけであります。

この授業は、「よなよなエール」を製造する株式会社ヤッホーブルーイングの井手直行社長が授業名のとおり、よなよなエールがどのようにして生まれたのか、そのストーリーを語ってくれているわけです。

これは、ビール好きの僕にとって単純に興味深い話だっただけではなく、不意をつかれてとても感動しました。。何かここ最近の暗い気持ちのトンネルから抜け出すようなきっかけとなるものでした。特に、大手でなくニッチの戦い方ということで、大げさにいうと自分がやるべき方向性みたいなものが見えてきた気がしました。

Schooはダウンロードしてオフラインで見ることもできるので、通勤中に流しっぱなしにしたり、何度も見直しました。

僕はこの井手直行さんという社長にとても好感を持ち、自然とこの記事のタイトルにもなっている『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』という本も購入して読みました。

『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』

この本の内容としてはとてもオーソドックスな会社の誕生から成功までの紆余曲折が語られています。

ただし、題材がよなよなエール。僕はこの頃にはもうよなよなエールをよく飲むファンになっていましたし、筆者である井手社長にも親しみを感じていました。この本ではヤッホーブルーイングに入社当時(井手さんは二代目社長)の話なども書かれていますが、特に弁当代のくだりは面白かったです。

等身大の井手社長

この井手社長、本の中でご自分でも書かれていますが、元々超優秀で経営者タイプというわけではなさそうです。その中で、ヤッホーブルーイングの創業者である星野リゾートの星野佳路さんと出会い、やがて一風変わった名物社長として名を馳せることになります。

この本の中でも色々なエピソードが紹介されていますが、僕が気になったのは井手社長の等身大で努力していく姿とその哲学です。

人生で、最も変化がある瞬間って「出会いの瞬間」なんだと思います。よそさまの力を、自分の人生にどう活かすか。それって、自分の人生を大きく左右することなのかもしれません。

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長野新幹線に乗って初夏の東京へ行くと、楽天が入居している六本木ヒルズは迷宮のようで、会場にたどり着くのも一苦労だった覚えがあります。でも、楽天大学では大きな学びがあった。最大の学びを、ズバッと一言でお伝えしますね。「できないことを頑張るんじゃなくて、できることをやる」別の人になろうとするんじゃなく、自分を極めるほうがいい。いわば「僕であることを極める」ことが、進むべき道だったんです。

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ここで書かれているとおり、等身大の自分を見つめ、その中でできることをやる、と「自分であることを極める」ということですが、これはご自分の能力を分かっているからこそだと思います。(それでいて楽天大学に通ったりととても努力家なんですけどね)

信じるって大事だな。いろんなこと、可能性を感じたら、信じ切って、やってみよう。ひたすら信じて、疑わず、とことんやる。かつ、自分の頭で考えてやってみよう。自分がやんなきゃ反響がわからない。一番腰が重かったことが、一番の当たりなのかもしれない。死ぬわけでもあるまい。スキルがないなら、やりながら身につけていけばいいじゃないか。

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でも、これが一番難しいことかもしれません。。

ファンをつくるということ

そして、この本でも先ほどのSchooで話がされていたニッチが大手と戦う時の戦略などが書かれています。よなよなエールが新規参入するときの話です。

新たに市場に加わった人間が、すでにできあがっている「市場のルール」に縛られ、いまのルールのなかで戦っても勝てるはずがないのです。

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新規参入者は、いわゆる「世の中的に正解」とされていることをやってはいけない。時にはあえて常識の逆を行くことも必要なのです。ネーミングから味からデザインまで、あらゆる場面で新規性が高くなきゃ、相手にもしてもらえません。

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しかし、一〇〇人に一人でも、大ファンになってくれるのであれば、そこには参入する価値がある。一〇〇人のうち九九人が「いつものビールでいい」と思うなか、たった一人だけ「あれじゃなきゃダメだ」と思ってくださる製品であれば、出す価値があるんです。そんななか、僕を含む多くは「いままではこうだった」に縛られていた。自分の頭で考えず、他人がつくった、本当に正しいかどうかもわからないルールのなかで考えていた。「こんな未来をつくろう」でなく「過去はこうだった」に縛られていた。

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このあたりでも語られている「一〇〇人に一人でも、大ファンになってくれるのであれば、そこには参入する価値がある」というのがニッチの目指すところでしょうね。

本の後半でも、

売れる製品には物語がある

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と父の日ギフトのPRで大きく売れたエピソードがありますが、お客様が製品を手に取るまでには物語があるということです。

よく「おいしいですよ」といった言葉で製品を売ろうとするじゃないですか。でも、人は興味がある情報にしか心を開かない。人の心って、鍵がかかっていて、外側からは開かないんです。心の扉を開ける鍵穴は、内側にしかない。  だから、まじめなことをやるより、おもしろいことをやって、まずは「コイツらおもしろい」と感じていただく必要があったんです。興味を持ってくれれば、営業に行かなくても、人はモノを買ってくれます。

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これはまさに僕がよなよなエール、そして井手社長に興味関心を持ったことと似ていますね。

ハーレーのファンは、ハーレーという会社へのロイヤルティが高いんです。市場には、ホンダやヤマハのような性能や燃費がよくてより値段の安いバイクがいっぱいありますよね。しかし、ファンはまるで趣味のように、高いハーレーを買うんです。なぜだと思いますか?」「ハーレーの印象がいいからですか?」「実は、ハーレーはバイクだけを売っているのではなく、ライフスタイルも売っているのです。バイクを売るというのは、速く走るなどの移動手段としての機能を売ることを指します。ライフスタイルを売るというのは、ハーレーのある楽しい生活という情緒的価値を売るということです」

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別の例としてハーレーダビッドソンにハマるファンを紹介しています。

バイクの大手もビールの大手も、大きな市場に対してテレビや雑誌で広告を打っていた。一方、ハーレーは広告などほとんどせず、コミュニティ(仲間が集う場)があって、サーキットを走り、カスタム(改造)を自慢し合う、といったイベントなどを実施している。僕は「これこそ、規模が小さい会社のマーケティングだ」と思いました。一〇〇人のうち九〇人に好かれたい会社は、みんなの目につくところに広告を出すべきです。予算もあるでしょう。でも小さい会社は、一〇〇人のうち一人から熱狂的に好かれることが大事です。とすると「その一人を集めてイベントをやることが、広告もできず知名度もない僕らの成功パターンになる!」はず。僕はそう強く思った。

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これこそがまさに僕がSchooで学んだ一番大きなことであり、一〇〇人のうち九〇人に好かれたいのか、一〇〇人のうち一人から熱狂的に好かれるのか、という戦い方の違いです。

ストーリーがあれば人はモノを買う~共通するバルミューダの寺尾玄社長~

そして、この辺りの話を読んでいて、僕は愛読しているブログのこの記事を思い出しました。

https://www.landerblue.co.jp/blog/?p=23353

元ネタは、

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/102800010/110400003/?P=1

という家電ベンチャー、バルミューダ・寺尾玄社長のインタビュー記事です。バルミューダはあの羽根のない扇風機や、3万円弱するトースターをヒットさせた家電メーカーです。僕はバルミューダの家電は使ったことがありませんが、こういった記事を読むととても興味がわきますね。

これらの記事でも言われているのが、「消費者はモノではなく体験を買う」ということですね。先ほどの井手社長の本に出てきた話ととてもリンクします。

永江さんは、「お金に余裕のある消費者はモノは買わない。体験を買う」と書いていて、「上級消費者アピールするポイント」を挙げています。なお、ここでの上級消費者とは、モノを「生活に必要」ではなくて「自分の満足度を高めるのに必要」な視点を持っているということです。

・その商品を使った時の想像力をかき立たせる

これがバルミューダの社長さんのいう「体験を売る」なんです。言い換えると「使った場合の生活を想像させる」ということ。商品には「これを使ったら生活が素晴らしく豊かになりそう」という付加価値が必要です。商品じゃなくてサービスも同じ。

消費者が買うのは「機能」ではなくて「使用体験」や「ストーリー」(バルミューダはわかってる)

その商品を所有した時の満足度をかき立たせる

こういう人たちは「商品」を買っているのではなく「ストーリー」を買っているのだと思います。誰がどのようにしてデザインして開発したとか、世界で何個限りの限定生産とか、そういうストーリーを買う訳です。

消費者が買うのは「機能」ではなくて「使用体験」や「ストーリー」(バルミューダはわかってる)

なるほど、この記事ではバルミューダに当てはめて書かれていますが、あらゆるところでよなよなエールにも当てはまりそうです。

よなよなエールでも、

「『よなよなエール』を飲むことによって得られるベネフィット」というタイトルで、結論として、五つの「効果」が示されています。

・共感する

・理想像の実現

・自己確信

・癒される

・仲間をつくる

位置: 2,205

と定義されています。(やや抽象的ですが)

まとめ

僕はたまたま見かけたSchooの授業によなよなエールの井手社長が出ていて、そこでよなよなエールをどのような想いで生み出したのかを知り、さらにこの社長さんに興味を持ちこの本を読んでみました。

そこには明確なストーリーがあり、もともと僕が大のビール好きということもあって、さらにファンになっていったのでした。

乾杯!

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